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昭和13/1938
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作詞 門田ゆたか
作曲 山下五朗

戦の嵐今過ぎて
昔恋しい南京の
空に輝く月の出を
涙で仰ごう支那娘

小窓を開けて待ち侘びた
春は再び巡るとも
遠い胡弓の偲び音に
思い出悲しい日も悲し

火筒の響き遠ざかり
町に数なす灯火に
若い血潮の思い出が
今宵も胸に甦る
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作詞 深草三郎
作曲 明本京静

静かな朝だ紫に
煙るかなたの敵の陣
奴等梟かこそ泥か
昼はひっそり音も無く
夜中になれば騒ぎ出す

昨夜届いた古雑誌
見たら出てるぞ俺の顔
しかも髭面大写し
早く立てたい大手柄

今日は記念日飯盒の
蓋に恩賜の日本酒
押し戴いて万歳を
喉も裂けよと叫んだら
東の空に五色雲

明朝六時突撃と
待ちに待つ日は遂に来た
準備おさおさ整えて
暫しまどろむ夢に見た
元気な坊やの笑い顔
作詞 和気徹
作曲 古賀政男

我輩は初陣に
敵の昼寝の真っ最中
こっそりと鉄砲を奪い
チョイト味方にサ合図して
目覚めた頃はポカンと敵兵は
裸にされて間抜け面
思わぬ手柄の山どっさり抱え
威張ったものさ

トーチカもクリークも
大和魂にゃ役立たぬ
敵陣を奪って立てた
チョイト梅干の日章旗
泣いたぞ俺もお前も泣いた
夢中で叫んだ万歳を
涙の髭面同志滅茶苦茶
滅茶苦茶に踊ったもんじゃ

我輩は決死隊
白い襷で弾丸の中
塹壕に飛び込む俺を
チョイト支那さんは盲撃ち
自慢じゃないがチビッコの
俺の土産の捕虜は大入道
見てくれ江戸っ子だよ
日頃の手並み偉いもんじゃないか

聞いてくれこの僕も
ほんにあの日の激戦にゃ
敵陣へ一番乗りさ
チョイト暴れたら血達磨だ
切れ味見せたぞ日本刀
見ろ見ろこの刀で鋸みたい
凄いもんじゃないか
作詞 藤田まさと
作曲 阿部武雄

御国に捧げたこの体
たとえ五尺と言うけれど
胸を叩けば一億の
声が物言う大和魂

百万敵の銃声も
僕の耳には子守唄
そうだそうだと頷いて
友に勧める飯盒酒

花で言うなら桜花
山にたとえりゃ富士の山
それよそれそれその国で
胸を鍛えた君と僕

散らば諸共その時は
叫ぼよ一声万歳と
互いに誓うますらおの
顔に感涙が二つ三つ
作詞 藤田まさと
作曲 服部一郎

まだ見えないか援軍は
草を枕に露を飲み
今日で丸々二十日目だ

思えばあの日の戦闘で
敵を攻め抜き追い散らし
漸く我に返る時

身に武装無き看護兵
雨と降り来る敵弾に
物ともせずに馳せ来たり

傷付く友やこの俺を
介抱なしてにっこりと
暫しの暇だ我慢せよ

援軍直ちにここにあり
我等二人は死を賭して
報告するぞと立ち去った

あれから二十日の日は経てど
情けに厚い二人の
情けの便りはまだ来ない

思いを馳せる時も時
遥かに見ゆる日章旗
ああ援軍と鬨の声

戦況無事に報告し
片時忘れぬ看護兵
様子いかにと尋ぬれば

こわ何事ぞ彼もまた
帰りの道を踏み迷い
江南の野に散ると聞く

征夫の道に燦として
輝く君だ二人の
誉れは高しああゆかし
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